事務所通信
事務所通信
作成日:2018/06/15
社会福祉法人における財務報告の枠組み



 社会福祉法人における財務報告の枠組みについて、平成29年4月27日付で日本公認会計士協会が公表した非営利法人委員会実務指針第40号「社会福祉法人の計算書類に関する監査上の取扱い及び監査報告書の文例」で以下のように記載されています。

ーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーー

・ 社会福祉法人の会計は、厚生労働省令で定める基準に従い、会計処理を行わなければならない(社会福祉法第45条の23)。
 「厚生労働省令で定める基準」として、「社会福祉法人会計基準」が定められている。社会福祉法人会計基準では、社会福祉法人が社会福祉法人会計基準で定めるところに従って会計処理を行い、会計帳簿、計算書類(貸借対照表及び収支計算書)、その附属明細書及び財産目録を作成しなければならない旨(社会福祉法人会計基準第1条第1項)、社会福祉法人会計基準の規定は社会福祉法人が行う全ての事業に関する会計に適用される旨(同第3項)が規定されている。

 また、社会福祉法人は、社会福祉法人会計基準で定めるもののほか、一般に公正妥当と認められる社会福祉法人会計の慣行を斟酌しなければならないとされている(同第2項)。
 ここで「一般に公正妥当と認められる社会福祉法人会計の慣行」の中には「運用上の取扱い」や「運用上の留意事項」が含まれるものと解される。

 これらの社会福祉法人会計基準等により規定されている財務報告の枠組みは、反証がない限り、一般目的の財務諸表のために受入可能であると推定される(監基報210のA9項)。


・ 社会福祉法人会計基準では、社会福祉法人が作成すべき各会計年度に係る計算書類として、貸借対照表及び収支計算書(資金収支計算書及び事業活動計算書)を規定している(社会福祉法人会計基準第7条の2第1項第1号及び第2号)。
 また、計算書類の注記事項として、「社会福祉法人の資金収支及び純資産の増減の状況並びに資産、負債及び純資産の状態を明らかにするために必要な事項」を追加開示することが求められている(社会福祉法人会計基準第29条第1項第15号)。


・ したがって、社会福祉法人会計基準に規定する計算書類は、一般目的として受入可能であり、また、社会福祉法人会計基準は監基報200第12項(13)に規定する適正表示の枠組みの要件を満たしていると考えられるため、一般目的の財務報告の枠組みであり、適正表示の枠組みであると考えられる。

ーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーー

公認会計士や監査法人等の協会会員向けの表現となるため、多少難解な文章となっていますが、社会福祉法人会計の基本知識としては押さえておきたいところかと思います。